shipwreck
台風来襲時の走錨海難の防止に関する調査
(公益社団法人 神戸海難防止協会委託業務)
プロジェクト概要
2018年9月に台風21号が近畿地方に来襲した際の被害を受け、公益社団法人神戸海難防止協会様による大阪湾における走錨海難の防止に関する調査が実施されました。その調査の一環として、MOLマリン&エンジニアリングにて高潮による水深の変化が錨泊時の船体の振れまわりに及ぼす影響について、錨泊シミュレーションを実施し、検証しました。

プロジェクト内容

大阪湾における錨泊環境の基礎データ化
大阪湾の水深や底質、風や波浪、潮流等の自然環境、過去に台風が来襲した際の船舶の避泊状況、走錨の発生状況等のデータを整理し、錨泊シミュレーションを実施する際の基礎データとしました。

錨泊シミュレーション結果
様々な船型モデルについて細かく外力条件を設定し、走錨し始める際の風速や走錨し始めるまでの時間、触れまわり運動についてシミュレーションした結果、高潮による水深の増加が走錨に直接大きな影響を与えるとは言えないまでも、高潮に伴う水流の影響が風や波と相まって走錨の危険性を増大させるおそれがあることが明らかになりました。
錨泊シミュレーションとは
風や潮流等の外力により生じる時々刻々の船体の振れまわり状況及び錨鎖に作用する張力を把握するために実施するシミュレーションであり、船体の振れまわり運動や船底の着底及び走錨の可能性の評価が可能です。

カスタムメイドの船型モデル
検討対象となる船舶の完成図書などをもとに、その船の外観や推進システム、運動性能などを再現した船体モデルを作成可能。作成したモデルを使用してシミュレーションを実施することで、対象船特有の挙動を精度高く再現し、より正確な検討ができるようになります。
