商船三井では様々なシミュレータと長年のMOLグループ船員の教育・訓練で培ったノウハウを活用し、実務に則した教育・訓練を提供しています。既存のオープンコースだけでなく、オーダーメイドの訓練など、柔軟な対応でお客様の抱える課題に対してソリューションを提供します。
当社の提供する海技教育・訓練サービスでは、BRM訓練や操船訓練、DP(ダイナミックポジショニング)システム訓練を実施するため、実際の船舶を再現したフルミッション・ブリッジシミュレータを活用をしています。
また、ERM訓練にはタービン機関シミュレータとディーゼル機関シミュレータを、原油タンカー荷役業務訓練には荷役シミュレータをそれぞれ活用し、訓練を行っています。
当社では海技教育・訓練のみならず、操船シミュレータやDPシミュレータを活用し、船舶や港湾をとりまく様々な課題の解決を行うべくコンサルティングサービスを行っています。コンサルティングでは既知の状況や課題だけではなく、まだ存在しない未完成の港湾での課題の予測などといったシーンも入念な現場調査を行った上で可能な限り事実に即した再現を行い調査・評価いたします。
360°の水平視野と下方視野で、実際の船舶を再現したブリッジで操船ができるフルミッション・ブリッジシミュレータです。
360°の水平視野は、BRM訓練など複数の乗組員が参加するシミュレーションでも、ブリッジにいる全員が自然に行動することができ、岸壁を見下ろせる下方視野は着離桟操船で岸壁と船体の位置関係を把握することができます。
船種の違いや昼夜の映像変化、霧、雨等による視界制限状態もリアルに再現します。夜間の景観においては、緯度経度から計算されるデータに基づき星も表現できます。視程も任意の距離に設定することが可能です。
国内外の港湾や海上のデータベースを数多く保有しています。また、データベースを保有していない、もしくは現実に未完成の港湾も、データを作成し再現することが可能です。
目的に沿った操船訓練をご提供するため、ご要望に応じた新規船舶モデルの作成も承ります。
自動船位保持装置(Dynamic Positioning System)を有するシミュレータとなります。
自動船位保持装置は、風潮流などの外力による船位のずれを自動で計算し、船舶を定点で保持したり、予め設定したルート上を航行させることができ、海上の一点に留まり作業をする海底ケーブル敷設船、洋上風力発電関連特殊船、ならびに海底油田関連のオフショア船などに必要不可欠なものです。
当社では東京都港区虎ノ門の本社ロビー階にDPトレーニングセンターを開設し、DPシミュレータを活用することで商船三井グループ内の船員および他社の技術者のDP操作訓練を行うのみならず、広く洋上風力発電や海洋開発の特殊船などのお客様のニーズに応じたトレーニングを提供しています。
本DPトレーニングセンターはThe Nautical Institute(本部:イギリス)の認証を得た日本初のトレーニングセンターとして、DPオペレーター資格証書取得に必須であるトレーニング修了証書を発行することができます。
シミュレータはKongsberg社製のDP実機を使用し、周囲を取り囲む240度モニターとリアルな映像により実際の船舶でDPを操作しているようなトレーニングを行うことが可能です。
ERM訓練は座学とシミュレータを通した実技演習により、安全な作業実施に要求されるチームワークの構築手法の習得を可能としています。また、「作業を安全に遂行できるリーダーの育成」にも寄与しています。
実技演習のシュミレータは、タービン機関 及び ディーゼル機関を保有しており、機関経験に応じて、シュミレータを選択することができます。
また、この訓練プログラムはClassNKの認証取得しています。
忠実に再現された機関制御室(ECR)/ 補機操作パネルと大型モニターにより実船を再現することで、指揮者と現場のリアルな緊張感を再現するトレーニングが実施できます。
ディーゼル機関室シミュレーターは合計14枚のモニターによる機器操作により、船上での実作業がリアルに再現できるシミュレーターです。
原油タンカー(VLCC)荷役を大型ディスプレイで再現し、荷役(CCR)における操作と甲板上での実作業の連携をリアルに体験をすることができます。
日本で当社の海技教育・訓練を提供するMOLマリン&エンジニアリング株式会社は、DNVの認証を取得しています。
この船員教育訓練関連マネージメントシステムは全世界で120件の認証実績がありますが、日本国内ではMOLマリン&エンジニアリング株式会社が第一号であり、船員教育機関として同社が開発・提供している船員教育プログラムの質の高さが認められた形です。
私たちの生活に無くてはならない安全な海上輸送を担う海技員を教育・訓練するため、130余年の歴史の中で培った経験に基づく充実した訓練プログラムを一般向けにも提供し、海運における事故防止や海運の発展に貢献してまいります。