洋上風力発電関連事業 Contributing to Offshore Wind Power Value Chains

総合海運企業として長年にわたり培ってきた“海”と“船”と“浮体構造物”についての豊富な知見をもとに、商船三井グループの総合力を活かして、洋上風力のバリューチェーン全体に貢献していきます。

海を起点とした社会インフラ企業へ

洋上風力発電関連事業は化石燃料から再生可能エネルギーへの転換が急速に進む中で、当社既存事業とのシナジーがあり持続的な成長が見込めます。
社会のGHG排出削減に寄与するための一つの方法として海運業やFSRUやFPSOなどの海洋事業で培った実績を活かし、洋上風力発電関連事業のバリューチェーン全体で幅広いサービスの提供に取り組みます。

海洋エネルギー事業全体像

MOL海洋エネルギー事業全体像(OWP_JP)

MOLグループの洋上風力発電事業のバリューチェーン

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洋上風力発電事業は裾野の広い産業であり、そのサプライチェーンの多くは洋上に拡がっています。当社グループは海洋コンサルティング、曳船、内航輸送、重量物輸送、ロジスティクス等の洋上風力発電の周辺領域で活動する多数の事業会社で構成されており、洋上風力発電のバリューチェーン全体に対して、これまで培ってきた知見やリソースを活かすことができます。

商船三井の洋上風力発電関連事業には二つの柱があり、一つは洋上風力発電設備建設前の立地環境調査、洋上風力発電設備建設部品および資材の海上輸送、O&M(運用・保有)技術者輸送船等のサプライチェーンビジネス、もう一つは台湾における洋上風力発電事業への出資参画を初めとした、発電事業への参画です。発電事業への参画を通じて発電事業者のニーズや課題を正確に把握し、信頼されるサービスプロバイダーを目指します。

輸送・建設・敷設

風力発電設備の海陸一貫輸送

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陸上輸送、海上輸送、航空輸送、港湾荷役、通関、据付を
トータルサポート

バルク船、多目的船を始めとし、重量物船やモジュール船、台船等、国内外のネットワークを利用したあらゆる海上輸送サービスを提供。小型外航モジュール船を運航しており、陸上風車部材の輸送実績多数有り。現在、洋上風力発電設備の輸送に適した内航モジュール船の新造計画を進行中。

また、26の国と地域に展開する139の自社拠点および51カ国で提携する代理店189拠点のネットワークを活用とした陸上・海上・航空輸送を組み合わせた"トータルコーディネートサービス"と“風力発電パーツ等の緊急輸送”を提供します。

国内港湾荷役、コンテナターミナルでの豊富な運営経験を持ち、「スーパーキャリア」を利用した重量物輸送の実績も多数。ルート調査・陸上輸送・艀や在来船での積卸し作業・海上輸送手配・現地での据付けを一貫して行います。

特殊貨物輸送

サービス詳細

 

特殊貨物輸送
お問い合わせ

 

風車組立・据付・設置

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風車組立・据付・設置に必要不可欠なSEP船事業

SEP(Self-Elevating Platform)船とは、プラットフォームに海底着床、及び昇降の為の脚を装備し、プラットフォームを海面上に上昇させてクレーンによる洋上風力発電設備の設置作業を行う作業船です。プラットフォームを波浪の届かない高さまで上昇させて保持することにより、波浪中でもクレーンを用いた作業を行うことができます。洋上風力発電設備据付作業の他、油井/ガス井のメンテナンスを支援する作業にも従事しています。

世界最大級のSEP船隊を保有するデンマークの大手SEP船主Cadeler社に出資。Cadeler社が保有するSEP船は世界各国の洋上風力発電者の建設・メンテナンスに従事しています。

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日本国内初のNI認証のDPトレーニングセンター

自動船位保持装置(Dynamic Positioning System:DPS)を有するダイナミック ポジショニング(DP)シミュレータを使用し洋上風力関連のコンサルティング、顧客要望に沿ったトレーニングを考案・実施し、洋上風力バリューチェーンに広く貢献します。

DP Simulator

送電ケーブル敷設

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拡大する需要に応える電力ケーブル敷設船事業 

国内の洋上風力発電に適している北海道や日本海沿岸などから電力の大需要地に送電するためには、電力系統を増強する必要があり、海洋ルートを使った長距離送電方法が有望とされています。自動船位保持装置(Dynamic Positioning System:DPS)に習熟し、海底ケーブルの敷設・保守をサポートする船員ソースを保持しており、洋上風力発電設備向けの電力ケーブル敷設作業においてもノウハウの活用を目指します。

商船三井グループは、KDDIケーブルシップ株式会社(KDDI 100%出資、以下KCS)保有のケーブル敷設船延べ4隻の船舶管理と運航を50年以上にわたって担っています。今後拡大が見込まれる電力ケーブル敷設船の需要に応えるべく、2021年9月にKCSと電力ケーブル敷設に関する協業の覚書を締結し、電力ケーブル敷設船の事業化を推し進めます。また、2023年6月にNEDOより採択を受けた事業として接続船/埋設船の開発を担います。

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O&M

基地港湾コンサルティング

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拠点港整備/MCC(Marine Coordination Centre:陸上指令センター)運営サポート

船舶安全航行のためのMOL独自の管理システムである安全運航支援センター(Safety Operation Supporting Center:SOSC)は、船長経験者を含めた船員が24時間365日常駐し、重大事故の未然防止に取り組んでいます。MCCの洋上風力発電施設の周辺海域を航行する船舶の監視や洋上風力発電施設工事の安全管理等の機能をサポートします。

メンテナンス作業員輸送(CTV/SOV)

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アジア初のSOV事業

SOV:Service Operation Vesselの略で多数の宿泊設備を持ち、技術者が一定期間洋上実施するメンテナンスなどの活動をサポートします。 船と洋上風車の距離を常時安全に保つため、ダイナミックポジショニングシステム(自動船位保持機能装置)を搭載。さらに、船から洋上風車プラットフォーム上に技術者を安全に渡すため、波等による船体動揺を吸収するモーション・コンペイセイション(Motion  Compensation)機能をもつ特殊なギャングウェイ(船からの連絡通路)も搭載しています。

台湾での重要なパートナーのTa Tong marineとの合弁会社である大三商航運(Ta San Shang Marine)が保有・管理する本船「TSS PIONEER」は「アジア初の新造SOV(Service Operation Vessel)」として2022年春に竣工し世界最大の洋上風力発電事業者であるOrstedとの長期契約に投入され、台湾大彰化洋上風力発電所で運転・保守支援業務に従事しています。
また、2023年11月に大三商航運として2隻目となるSOV「TSS CRUISER」の造船契約をオランダのDamenグループと締結しました。本船はベトナムの造船所で建造され、2025年末に竣工予定。竣工後は、台湾の洋上風力発電所の支援業務へ従事する予定です。

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CTVの保有・管理・運航

CTV:Crew Transfer Vesselの略で比較的離岸距離の近い洋上風車に対して、洋上風力発電所のメンテナンス技術者を、拠点となる港から送り届ける交通船(乗客定員12-24人)です。船首部分に取り付けられたフェンダーを洋上風車に押し付ける形で船体を安定させたうえで、メンテナンス技術者が洋上風車に移乗します。アルミ製の双胴船(Catamaran)が主流船型であり、安定かつ安全なCTVサービスを提供すべく日本の厳しい気象/海象条件に適応した船型の研究開発を実施。航行時・接舷時の波浪中動揺特性のシミュレーションに加え、水槽実験にて検証を行い、日本の海域にとって最適な船型を開発していきます。

2023年6月より、当社グループとして3隻のCTVを石狩湾新港洋上風力発電所の建設用途、洋上風車と陸上の作業員の輸送業務に投入。3隻の内当社保有の「KAZEHAYA」は内航CTVで初となる国際基準の船舶安全管理システムであるISM認証を取得し、半年間にわたり本コードに則った運航を行いました。

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メンテナンス人材育成/供給

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風力発電メンテナンス人材

たとえ海の上であっても、風力発電のメンテナンス作業は人の手で行うものであり、 洋上風力発電は、建設をして終わりではなく、維持することまで考えていく必要があります。
船員育成において40年以上パートナーであるフィリピンMagsaysayと共同で、MMEMPOWER社を現地に設立。船員以外の領域において、外国人人材活用を目指す企業様に対し、適性人材確保・現地教育・アフターフォローまでのトータルサポートを提供、その一環にて風力発電設備O&M作業員の育成を目指しています。

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外国人人材コンサル

サービス詳細

 

海技教育・訓練

サービス詳細

 

調査

海域調査選定支援

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海洋コンサルの立場から事業想定海域の選定支援

立地環境調査に始まり、事業海域や基地港の選定・運用支援など海洋・港湾オペレーションのコンサルティングサービス、事業計画・戦略策定のサポートに取り組んでいます。

洋上風力発電事業の開発・運営

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発電事業に参画することによる
周辺事業サービスの高度化、高品質化

洋上風力産業のスタンダードやニーズを先取りするために、この産業の中核となる発電事業そのものに関わることで、当社グループの強みである周辺事業サービスの高度化、高品質化を図ることができると考えています。そしてその周辺事業を組み合わせてパッケージ化することにより、私たちにしかできない総合サービスやワンストップサービスを提供していきます。
例として現在は着床式洋上風力発電が主流ですが、今後浮体式洋上風力発電事業が多いに期待され、アジアで唯一のFSRU保有/運用実績を持つ企業であり、浮体式要用風力発電事業は当社の海洋事業、海洋構造物運用の知見・経験が活かせる分野として位置づけており、風車設置海域が陸からより遠くなる浮体式においては、そのサプライチェーンもより長く、大きくなると想定され、風車部材や基礎(浮体)の曳航、設置・係留、保守・運用、全体に当社のサービスで貢献します。

関連リリース

商船三井グループ
風力発電事業への取り組み

風力発電事業への取り組みJP表紙

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