2025年12月15日
今回は、商船三井が進める、超ワクワクする次世代プロジェクト”WIND HUNTER(ウインドハンター)”について、ギモンをサクッと解決しちゃいます!
このウインドハンターは、万博会場にも展示され、大変多くのご来場者に楽しんでいただきました。万博会場で寄せられたリアルな声や疑問をもとに、今回はその魅力をさらに深掘りしていきます。未来のエネルギーがギュッと詰まったこの船、一緒に見ていきましょう!
A. ズバリ、"Wind: 風”+"Hunter: とらえること“=風の猟人(かぜのかりうど)、その文字が示す通り、風のエネルギーをとらえる事を追求し、得られた風の力を利用して船を推進させると同時に水素を生産し、船内に貯蔵、そしてそのエネルギーを陸上に供給するという、商船三井(MOL)の次世代エネルギープロジェクトです。
ウインドハンターの仕組みを3分の動画にまとめました。ぜひご覧ください!
A. 陸上でも水素は作れますが、水素を作るためのエネルギーを無限にある洋上風から作り出す事がポイントです。船ならではのモビリティ力を活かして、高風況エリアへ移動し、水素の生産性を高め、更に、島嶼や様々な港へのエネルギー供給を行います。海運会社として140年以上の歴史を持つ商船三井ならではの取り組みです!
A. 水素は新しいエネルギーとして注目されています。実は、すでに水素で走る車やバス、船などが実用化されており、私達の生活の中でも普及が始まっているんですよ。水素はエネルギーとして燃やしたり、燃料として使っても、二酸化炭素を排出しない特徴があります。
街中でよく見てみると、意外と走っている水素燃料電池バス(出典:Tokyo水素ナビ)

商船三井グループの「HANARIA(ハナリア)」も、日本初の水素燃料旅客船です。詳しくはこちら海に浮かぶ“白い卵”──水素旅客船「HANARIA」誕生!
A. はい、2020年11月からプロジェクトを開始し、小型の実証実験船「ウインズ丸」での様々な実証実験を行ってきました。2025年3月には実証ヨット「ウインズ丸」を用いて洋上風から生産したグリーン水素を東京都の中央防波堤に陸上供給しました。ウインズ丸を大型化させ、ウインドチャレンジャーで培った帆の技術や更なる水素を含めた要素技術等を込めた将来的な大型商用水素生産船の模型をつくり、大阪・関西万博で展示しました。
船舶が自らの航行によって生産したグリーン水素を陸上に供給するのは、なんと世界初!(出典:商船三井プレスリリース)
A. これは「Mitsui O.S.K. Lines」の頭文字を取った略称で、つまり商船三井の英語表記から来ています。ちなみに、“O”は大阪商船からきており、商船三井は大阪発祥の会社なんですよ。MOL印の船を見かけた時は、ぜひ「えむ・おー・える」と呼びかけてください!
A. 気象予報や遠隔風況計測システム等を駆使する事で最適な風況を探査することを検討しています。風が強いほど水素生産が効率的なため、以下に風を探すかがポイントです。漁船に魚群レーダがついているように、ウインドハンターでは、風群レーダーのような機械が欲しいですね!
A. 風向きをセンサーで検知し、自動で帆群の角度を調整し、最大限の推進力を得るように設計されています。従来の船と異なり、ウインドハンターは最適な風を捉える為、場合によっては、船自身の向きも調整します。
帆の角度は調整できる他、状況に応じて伸び縮みすることで効率と安全の両方を叶えます!(出典:Part1冒頭で掲載した“万博オリジナル映像「水素社会を創る~ウインドハンター~」”より)
A. 船が推進、水素生産をするための燃料には、ガソリンなどの化石燃料は使わず、風のみです。一方で、風がない・弱い日にも航行する必要がある場合は、風のある時に貯めたエネルギーを使うなど、なるべく環境に配慮した船の設計で進めています。
A. 離着岸時に船の向きを調整するための役割を担っています。
万博で展示されていたウインドハンターの模型より。赤丸部分のプロペラを使って船の向きを調整します!
A. 水素エネルギーが必要な場所付近の港から出港予定ですが、現時点では非公開です。続報をお待ちください!
A. 船内で水素を生み出し、貯蔵する仕組みをイラストでご紹介します!
また、新しいエネルギーとして注目されている水素は、適切に取り扱えば安全です。小型実証船 ウインズ丸でも、実際に船上で水素を適切、安全に取り扱っています。
A. ある一定の風速でも転倒しないような設計がなされており、場合によっては、台風等の強風時をチャンスと捉えてのエネルギー回収の工夫を検討しています。ウインドハンターの模型をご覧になった方の中には、「ちょっと違った船の形だなぁ」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。この形状は「双胴船(そうどうせん)」と呼ばれるもので、一般的に多く見られる「単胴船(たんどうせん)」に比べて安定性がより高いという特長があります。
双胴船は、2つの船体(ハル)を平行に配置し、甲板で連結した構造を持つ船のことです。(万博にて現地撮影)
A. 例えば、液体の水素だとマイナス253℃であり、材質も特殊になりますが、ウインドハンタープロジェクトの水素は船内でMCH(メチルシクロヘキサン)という常温常圧の液体に変換します。貯蔵する為のタンクの材質という点では、それほど特殊な材質ではありません。
実証実験船で生成、陸揚げされた水素キャリア”MCH”。ご覧の通り無色透明、常温常圧の液体です。(現地撮影)
A. 確かに海水を蒸留水にする工程がありますが、この蒸留水は飲料用ではありません。
A. 現状、分解してできた酸素は船外に排出する計画です。
A. はい、水素を生産する機能と動く洋上発電所のような役割を持つ船です。
A. 商船三井を中心に検討が進められています。
A. 将来的に無人航行を計画しています!ですが、現状は船首部で操船を行う船員が乗船します。
A. ぜひ、サービスページをご覧ください!動画や細かい仕組みなど、お楽しみいただけるコンテンツが盛りだくさんです。

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