BLOG ブログ

MOL FSRU Challenger アップグレードプロジェクト(後編)

  • エネルギー
  • 海運全般

2023年01月10日

シンガポールのKeppel Shipyardにて、当社グループが保有する世界最大のFSRUMOL FSRU Challenger(以下、本船)の改造工事を完工致しました。

MFC入渠前編 CTA

今回はその後半パート、PHASE 2からご紹介します。

本アップグレードプロジェクトの模様を記録した映像もぜひチェックしてみてください!

PHASE 2
ドライドックイン

本船がドライドック(排水し、船体を陸上に設置させることができるドックのこと)に入り、船底掃除及び塗装を行いました。船底に付着していた汚れや劣化していた塗料も全て剥ぎ取ったうえで、塗装を施したことで、船速が改善しました。また、舷側についてもエメラルドグリーンに塗り替えました。

ドライドックでは、船の定期修繕を行い、様々な本船機器のメンテナンスを行いました。

今回の改造工事の為に特別にドライドックを行いましたが、本船は20年間ドライドックを行わなくても船上で必要なメンテナンス及び点検ができる設計となっております。

MFC upgrade project MFC upgrade project

ビフォー・アフター

PHASE 3
桟橋給電設備の追設作業を開始

FSRUから払い出したガスを受け入れる桟橋設備の仕様や場所はプロジェクトにより様々です。仮に桟橋設備が洋上にある場合、陸側からの電力供給または洋上での発電などで桟橋側の必要電力を賄う必要がありますが、いずれも経済的・空間的制約があり難しいケースがあります。

今回の改造工事では配電盤、遮断・保護装置並びにケーブルサドルやソケットボックス等を新たに配置し、船内で発電した電気を安全に桟橋設備へ供給できるようになりました。

この給電機能を本船上に備えることで桟橋設備上に送電線や発電機が不要となるので、発電設備費用の削減及び保守・運用費用を低減が期待できます。

桟橋給電用のケーブルサドルとソケットボックス1 桟橋給電用のケーブルサドルとソケットボックス2

            桟橋給電用のケーブルサドルとソケットボックス

PHASE 4
ICTを活用した船舶リアルタイムモニタリングシステムを搭載

当社と本船を建造した大宇造船海洋(DSME)はFSRUを対象とするICTを利活用した船舶管理強化システムを共同開発しております。リンク

同システム利用の為に必要となる操業データ収集及び陸上へのデータ伝送装置を今回の改造工事で搭載したことにより、アプリケーションを通じ、各種操業データの陸上でのリアルタイムモニタリングが可能となりました。

FSRUは、通常のLNG船にある機器だけでなく、LNG再ガス化の為の機器が数多く載っておりますが、今回新たに搭載した船舶管理強化システムにより船陸間での多様なデータ共有と連携を深度化することで、機器トラブル発生要因の早期発見や本船操業の効率化が可能となります。

本システムによりFSRUの更なる安全・安定操業を実現していきます。

船陸間での多様なデータ共有と連携を深度化

提供:DSME

PHASE 5
超低温下での配管チェック

本船上の各種配管は、-162℃のLNGが流れる為、超低温に耐えられる強度が必要となります。
よって、今回の改造工事完了前にLNGの代わりとして、超低温液化窒素(-196)を流すことで、配管が今後超低温下の使用に耐えられるか、漏洩がないかを確認しました。

下の写真のように、超低温の液体を流すことで、配管が冷やされ、表面に霜が付いています。

-162°のLNGが流れる配管

PHASE 6
完工後、次の目的地へ出航

MFC完工

スケジュール通り、無事に改造工事が完了し、本船は次の目的地へ向かいます。

当社は、今後も世界最大のFSRUと共に、エネルギーの安定供給を通じて世界中の人々の豊かな暮らしを持続的に発展させていくことを目指します。

会社案内

会社案内

商船三井の会社案内をダウンロードできます。

ダウンロードはこちら

 

  • クリーン代替燃料ホワイトペーパー

  • 会社案内

  • 輸送・サービスについてのご相談

  • その他のお問い合わせ