2022年12月13日
シンガポールのKeppel Shipyardにて、当社グループが保有する世界最大のFSRU「MOL FSRU Challenger」(以下、本船)の改造工事を完工致しました。
本ブログではその改造工事を前編・後編にわたり、ご紹介します。
本アップグレードプロジェクトの模様を記録した映像もぜひチェックしてみてください!
本船は、定格540百万立方フィート/日、最大720百万立方フィート/日のガス送出能力を有しておりましたが、今回の改造工事により定格600 百万立方フィート/日、最大800百万立法フィート/日のガス送出能力迄に増強しました。
この改造により、再ガス化能力を増強しただけでなく、機器の冗長性を高めることができ、より安定した操業・エネルギー供給が可能となりました。
ここで、工事内容をイメージ頂きやすくするため、まずは再ガス化オペレーションのフローをご説明します。
LNG再ガス化フロー
LNGは上の図の流れに従い、再ガス化され需要家へ送ガスされます。
Step 1
まずカーゴタンク内のLNG(液化天然ガス)は、タンク内に設置されているカーゴポンプにより、船首部にあるSuction Drumと呼ばれるバッファータンクへと送られます。
Step 2
次にSuction Drum内のLNGは再ガス化用高圧ポンプ(HP Pump)に移送され、HP Pumpが、ガス需要側で必要な圧力相当迄LNGを昇圧します。
Step 3
HP Pumpで昇圧されたLNGは、気化器の役割を果たす高圧気化器(HP Vaporizer)へ送られ、海水と熱交換することでガスへと気化します。
Step 4
気化したガスはMetering Systemで流量計測およびガス成分分析され既定の温度まで加温された後、高圧送ガス口(HP Manifold)を通って、お客様にガスが届けられます。
今回の改造工事ではLNG再ガス化設備のうち、HP VaporizerとHP Pumpを追加搭載したことに加え、ガスを本船から送出する場所となるHP Manifoldを本船の左右両舷に追設しました。
HP Vaporizerの工事・据え付けの様子
HP Pump据え付けの様子
追設されたHP Manifold
次回ブログでは、ドライドック(ドック内の水を抜き、普段は水面下にある船底などのメンテナンスを行える状態にすること)から、追加で搭載した様々な機能について紹介します。
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