BLOG ブログ

外国人人材と日本の海運会社との関係

  • その他

2021年08月26日

総合外航海運会社である商船三井は、2020年4月、外国人に特化した人材紹介・コンサルティングサービス事業をスタートさせました。海運とは関連が無さそうにも見える事業を、なぜ商船三井が、今はじめたのか、これまでの歴史や外部環境の変化とともに解説します。

外航船の乗組員

日本の海運会社が運航する外航船隊は、隻数で約3900隻とギリシアに次いで世界第2位を占めていますが、その外航船隊に乗船する船員の多くは日本人ではなく外国人であることをご存知でしょうか。実は、1970年代前半には5万人以上の日本人が外航船の乗組員として乗船していましたが、コスト削減のため比較的賃金の安い外国人船員を雇用するようになり、現在では日本人船員は約2,000人程度で、全体のわずか3.5%となっています。一方、フィリピン人船員は40,000人程度の約75%を占め、その他のアジア人として、インド人、中国人、インドネシア人などが20%と、外国人船員に大きく依存しています。
詳細はこちらの記事をご覧ください:日本の海上輸送を支える外国人船員について

商船三井とフィリピンとの長い歴史

外国人船員が、自社船隊の乗組員の中核となっていくことに従い、安定的な人員確保や、安全運航に必須な一定水準以上のスキルレベル維持が必要となりました。その中で、商船三井はフィリピンにおいて、現地パートナーであるMagsaysayグループとともに、船員教育・輩出に長年尽力してきました。Magsaysayグループは、フィリピン大統領も輩出したことのあるフィリピンに根差した歴史ある会社です。商船三井は同グループと幅広く提携をしており、1980年代にフィリピン人船員の配乗を開始してから、1993年の船員訓練施設(MIS:Magsaysay Institute of Shipping)の設立、2018年には自営商船大学(MMMA:MOL Magsaysay Maritime Academy)の設立・運営などを共同で進めてきました。二社で実施する船員教育を受けた船員は、当社の船舶運航での高い安全基準を支えています。

またMagsaysayグループは、船員のみならず、幅広い職種においてフィリピン人を世界中に送り出しており、国内でもトップレベルの実績とブランドを持つ人材紹介事業を行っています。

Magsaysayグループのフィリピン人紹介数(2018年時点)Magsaysayグループのフィリピン人紹介数(2018年時点)

国内の労働力不足

日本人船員の減少のみならず、日本国内全体において、労働力不足の深刻化が叫ばれて久しいです。女性やシニアの活躍、ICTによる生産性向上が謳われていますが、それと同じく解決の糸口と考えられているのが「外国人人材活用」です。パーソル総合研究所のデータでは、2030年に644万人の人材不足が想定される中、在留資格拡大などにより外国人労働者が81万人程度増加すると推計されています。一方で、外国人人材と働く経験がない企業様もまだまだ多く、自社だけで踏み出すにはハードルが高いものと想像されます。

2030年の日本の人手不足数2030年の日本の人手不足数 
出典:パーソル総合研究所

日本の外国人労働者数の推移(2020年以降は見込み値)日本の外国人労働者数の推移(2020年以降は見込み値)
出典:厚生労働省データを基に当社にて作成

そこで商船三井は、長年のパートナーであるMagsaysayグループの持つ人材紹介ノウハウと、当社が外国人船員と信頼関係を築いてきた経験・知見を最大限活かし、非船員分野において幅広い業種の外国人人材紹介・コンサルティングを行うことで、人材不足を抱える企業様の課題解決に貢献したいと考えています。

外国人人材の雇用に必要な手続き

では、外国人人材を雇用する際には、具体的にどのような手続きが必要なのでしょうか。大きく分けて内定前・内定後において、以下のような対応が考えられます。

<内定前>
・求める人材条件の検討・提示(ex. 国籍の選定、日本語レベル、経歴)
・入国前の現地教育についての検討(ex. 教育施設の選定)
・候補者面談の実施

<内定後>
・母国側の手続き(ex. フィリピンであればPOEA=フィリピン海外雇用庁の手続き)
・日本側の手続き(ex. 在留資格取得手続き)
・就労者の生活面整備(ex. 365日24時間母国語対応、住居探し等項目別サポート)
・就労者の定着支援

商船三井では、企業様の課題や状況に応じ、当社の教育施設を活用した現地教育実施のご相談や、最適な外国人人材の採用を行うための候補者事前スクリーニングなどのコンサルティングに加え、内定後の手続きについても受託可能なオプションも用意しています。さらに、雇用後の定着支援のため、必要に応じ、企業様・雇用者との定期面談、レポート作成なども対応致します。外国人人材採用によって企業様が目指したいものを大事に、そのプロセスが出来る限り効率的に且つストレスフリーに進むよう全力でサポートできるように取り組んでいます。

フィリピン人に焦点を当てて、採用手続きと人材の特徴を纏めた資料もご用意しています。ご興味ある方は以下よりダウンロード下さい。(もちろん、他の国籍についてもご相談可能です)

フィリピン人材採用フローCTAフィリピン人材の特徴

まずはイメージしてみてください

「いまは十分必要な人材がいる。でも10年後、本当に現状維持が可能か?」
「今後、海外進出・拡大を事業計画している。そのための適正人材は十分か?」
「コロナ明けのインバウンド需要、果たして準備はできているのだろうか?」
「変化する時代を生き残るために、社内のグローバル化・活性化はできているか?」

少しでも気になるポイントがあったのであれば、まずは以下よりお気軽にお問合せください。
一つ一つの不安をクリアにし、解決に導くサポートをさせて頂きます。商船三井は人材紹介だけに留まらない、中長期の視点で企業様に寄り添える外国人人材コンサルティングサービスを提供致します。

外国人材 問い合わせCTA

とみー

記事投稿者:とみー

2014年入社。鉄鋼原料船の運航担当を経て、2017年から新規事業創生に携わっています。担当した風力発電分野での人材不足をキッカケに、外国人人材コンサル事業を立上げました。「仕事終わりの一杯」が至福タイム。在宅増加に伴い大好きなビールをお酢に変えるチャレンジをしていたら、酒飲みの親に本気で心配されました。

  • クリーン代替燃料ホワイトペーパー

  • 会社案内

  • 輸送・サービスについてのご相談

  • その他のお問い合わせ