2023年06月12日
商船三井では、将来、社会の担い手になる子供たちに、海運業という仕事、そして環境課題や未来のための取り組みを知っていただき、その魅力や大切さを同世代や御両親の世代に伝えてもらう事を目的に、2021年8月から“MOL小中学生アンバサダー”活動を行っております。
2023年5月現在、アンバサダーは全国各地に9名おり、過去4回開催している商船三井の職業体験イベントの企画・運営や当社と取り組みたいプロジェクトの企画立案、取材・インタビューへの参加等幅広く活躍しております。
過去の職業体験イベントの様子はこちら
この度、中学生アンバサダーの一人で 「さんふらわあ」の大ファンである髙山優菜さんが、実際に運航中のフェリーに乗船し、そこで勤務されている4名の乗組員へインタビューを実施しました。フェリーならではの魅力や仕事のやりがい等、ここでしか聞けない内容が盛りだくさんですので、その様子をご紹介します。
はじめに、三等航海士/清水さんに、ブリッジ(船長や航海士が船舶を操縦する場所の事)を見学させてもらい、お話を聞きました。
-清水さん(以下清水)
この船では2台のレーダーから電波を出し、その反射で物の位置を把握しています。今日のように視界が悪いときに使います。
-清水
"さんふらわあ"には、スタビライザーという船の揺れを抑える装置が付いています。このスタビライザーは左右についたフィンを使って波の抵抗を減らすので、揺れにくくなりお客様に快適に過ごしてもらうことができます。
-清水
さらに、"さんふらわあ"には、二重反転プロペラが付いています。この二重になっているプロペラを逆方向に回転させることでエネルギーの無駄を減らすことができます。
-髙山
無駄なエネルギーを減らすということは、エネルギーを船が進む力に効率よく使えるということですね。
-清水
そういうことです。
また、この船はディーゼルエンジンと電動モーターによる駆動が可能なハイブリッド船で普通の船の約70%の燃費で走行することができます。燃費が良く、環境にやさしいのが特徴です。
-清水
"さんふらわあ"には、火災探知器がたくさんあります。何個ぐらいあると思いますか?
-髙山
えぇ、何個ぐらいだろう。でも、確かに結構な量ありますよね。700個ぐらい?
-清水
お、正解です。この船にはたくさんの火災探知器や、さらに防犯カメラもたくさん付いており、いつ何が起きてもすぐわかるようになっています。
-清水
ちなみに船橋には神棚もあります。
-清水
海の神様である金毘羅山のお札を祀っています。また発着港である大洗港・苫小牧港の近くの神社で頂いたお札とお神酒を飾っています。
マネージャー(M)/中浜さんとアテンダントクルー(AC)/福世さんにもインタビューしました。
-髙山
それぞれの仕事の業務内容を教えてください。
-中浜さん(以下中浜M)
マネージャーの主な仕事内容は、お金の管理やお客様の安心、安全を守る仕事です。
-福世さん(以下福世AC)
アテンダントクルーの主な仕事内容は、レストランやショップの営業、案内所での対応、部屋の清掃などです。
-髙山
ありがとうございます。では次にお仕事のやりがいと"さんふらわあ"の魅力について教えてください。
-中浜M
仕事のやりがいは、やはり一番はお客様に楽しんでもらうことですね。"さんふらわあ"は飛行機や新幹線と違い、ゆったりとした時間を過ごせるのが魅力です。首都圏~北海道航路の"さんふらわあ"の乗船時間は約18~19時間。この時間を使って、スマホ等から離れリフレッシュしてほしいと思います。
-福世AC
私のやりがいは、お客様から旅の思い出話をしてもらうことや感謝の言葉をかけてもらうことですね。この"さんふらわあ さっぽろ"は、商船三井グループが運航する"さんふらわあ"の中で最も乗船時間が長いですが、約18~19時間というのはとてもちょうどよい時間だと私は思っています。読書したり海を見てゆっくり過ごしてもらえればなと思います。
-髙山
では、ちょっと変わった質問をします。昔ペットルームを使用した事があるのですが、その時、にわとりがいたことがありとてもびっくりしました。このような面白いペットがいたことがありますか?
-福世AC
最近だと、ハリネズミや白蛇などを見ました。また小鳥などはこちらの案内所でお預かりするのですが、常連のお客様が飼っているインコの『ボタンちゃん』という子がいて、その子は"さんふらわあ"の歌を覚えていて、いつも歌ってくれます。
-髙山
すごいですね!"さんふらわあ"の歌を覚えているなんて、さすが常連さんのペットですね!
それでは最後に、"さんふらわあ"に乗りたいと思っている人や海の仕事に興味を持っている人に、メッセージをお願いします。
-中浜M
"さんふらわあ"は、とても素敵な船です。ぜひ長いお休みなどに乗ってみて下さい。また、海の仕事はとても楽しい仕事です。皆さんと将来一緒に仕事ができるのを楽しみにしています。
-福世AC
夏休みや冬休みにぜひお越しください。我々アテンダントクルーが一からメニューを考えた喫茶営業も楽しみにしていてほしいです。なりたいものがあれば、勇気をもって頑張れると思います。皆さん、頑張ってください。
最後に、船長/守口さんにインタビューをしました。
-髙山
船長の仕事の業務内容を教えてもらえますか?
-守口
船の総責任者として運航・航海計画の立案、船全体を管理して、視界の悪い時や入港の際の操船をします。お客様や乗組員の安全を守るのが船長の務めです。
-髙山
そうなのですね。船長になったきっかけを教えてください。
-守口
生まれたのが漁師町でして、もともと小さい頃から船に乗りたいと思っていました。自然も好きでしたし…それで気づいたら船長になっていました。(笑)
-髙山
やはり小さい頃から海にかかわりがあったのですね。それでは、プライベートでついしてしまう、いわゆる『職業病』のようなものはありますか?
-守口
職業病ですか(笑)うーん、ついしてしまうことは気象のチェックですね。あ、今日は海が時化(しけ)てるな※、とか。ニュースなどでつい見てしまいます。
※強い風によって海面が荒れることを指す言葉
-髙山
乗船中の休み時間や休日に何をされているのですか?
-守口
乗船中の休み時間は、テレビを見たりして過ごしています。また、ずっと船に乗っていると運動不足になってしまうので、港に着いたらウォーキングをしています。休日は、趣味のゴルフなどをして過ごしています。
-髙山
休日に船に乗ることはありますか?
-守口
一切乗りません(笑)。仕事で常に乗っているので、休日は車に乗っています。
-髙山
それでは最後に、これから"さんふらわあ"に乗りたいと思っている方や海の仕事に興味を持っている方に、メッセージをお願いします。
-守口
これまでコロナの影響で開催されていなかったイベントや、閉鎖されていたキッズルームなどが今年は開放され、コロナ以前のような体験ができると思うので、ぜひ、"さんふらわあ"に乗って、様々なイベントを楽しんでください。また、海に興味を持っている方、この先大きな壁にぶち当たる事もあるかもしれないけれど、目標に向かって全力で進んで、立派な船員さんになってください。
-髙山
ありがとうございました!
【編集後記】
商船三井は、フェリー・内航RORO船事業に関し、両社ともに当社100%出資連結子会社である商船三井フェリー株式会社と株式会社フェリーさんふらわあの事業を統合することを決定し、2023年10月1日から新会社としての営業を開始します。
新会社の社名を「株式会社商船三井さんふらわあ」(英文名:MOL Sunflower Ltd.)とし、定期航路6航路、運航船15隻を有する国内最大規模のフェリー・内航RORO船事業会社として、より良いサービスを提供していきます。
MOL小中学生アンバサダー:髙山優菜
埼玉県在住、中学2年生(2023年5月時点)。
豊かな海を守ることの大切さや、海運業の仕事の魅力などを学び、未来を創る同世代の仲間たちに伝える役割を担ってもらう商船三井アンバサダーとして活動。北海道大好き♡趣味は水族館・博物館めぐり、バードウォッチング。
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